イベント情報

宮津庁舎に京都府立海洋高等学校生が栽培漁業の最前線を学びに! 2011.5.11

 平成23年5月11日に宮津市にある京都府立海洋高等学校の海洋資源栽培環境コース2年生17人が、総合実習の一環として、「栽培漁業の現状」と「宮津庁舎の業務」について学びに、宮津庁舎へやってきました。
 まず、新体制となった水産総合研究センターの組織と日本海区水産研究所宮津庁舎での研究内容について、升間部長が説明しました。
規律正しい生徒さんたちでした。 栽培漁業に必要な研究について説明を聞いていました。
規律正しい生徒さんたちでした。        栽培漁業に必要な研究について説明を聞いていました。

 ヒラメ稚魚が飼育されている施設では、6月末に放流を予定しているヒラメ16万尾を、放流に適する大きさになるまで育てている最中です。全長3.5 cmほどの稚魚が水槽の底や側面にびっしりと張り付いている姿を見て、「すごい!!」という声があちこちから聞こえました。長副研究員が現在取り組んでいる「コスト削減を狙った飼育試験」について説明したところ、返ってくる質問は「ヒラメの飼育温度は何度ですか?」や「この道具は、何のためにあるのですか?」という通常の飼育に関するものばかりでした。自分たちで魚の飼育を行っている生徒さんだけあって、基本的な飼育技術に関して大変興味があるようで、聞く人に合わせて説明することが重要だと再認識しました。
 ヒラメの親魚養成とアカアマダイの飼育については、竹内主任研究員が説明しました。 研究者 研究者
コスト削減は循環飼育にあり!!!    最近のヒラメは草食系?

 ヒラメの親魚養成では「雌が成熟しているのに雄が追いかけないことがある」という状況を、最近話題となっている"草食系男子"に例えて説明したところ、生徒さんから笑いが起こっていました。また、アカアマダイでは、稚魚の大量生産に成功するまでの経緯や宮津庁舎で開発した標識方法(旧栽培漁業センターHP)などについて説明を受け、真剣に興味深く聞き入っていました。
 宮津市周辺で漁獲されるアカアマダイは「丹後グジ」と呼ばれ、とてもおいしくて値段の高い魚ですが、「アカアマダイを食べたことがある人は?」と聞いたところ半数以上がその味を知りませんでした。
 将来、稚魚を育てる仕事につきたいとの希望を持った生徒さんもいて、これからの栽培漁業を支える若い人達のためにも、一生懸命研究に取り組まなければと感じました。


 日本海区水産研究所では、研究開発業務を皆様に知っていただくことを目的とした広報の一環として、施設の一部を見学していただけます。詳しくは業務推進課(電話025-228-0451)へお問い合わせください。ただし、業務多忙等で受入れが困難な場合はご希望に添えないこと がありますのであらかじめご了承ください。