冬の間に川で生まれた稚魚は春に川を下って海へ行き、日本列島に沿って北上し、最初の夏をオホーツク海で過ごします。その後、日本から約3,000キロも離れたベーリング海やアラスカ湾でイワシやイカなどを食べながら成長します。海で2~5年間生活し、産卵する準備ができたサケは、ベーリング海から日本近海へ移動してそれぞれ自分が生まれた川へ帰っていきます。
生 まれた川の近くの海に戻ってきたサケは、川の水に含まれる「におい」を頼りに生まれた川を見つけることができます。しかし、地図を持たないサケがベーリング海から日本までどうやって戻ってこられるのでしょうか?そのしくみには大きな謎が残されたままになっています。