ホッコクアカエビ


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日本周辺に分布するホッコクアカエビは、長い間、北大西洋に分布するPandalus borealisと同種とされてきたが、現在は、別種Pandalus eousとされている。日本海では、北海道から鳥取県沖にいたる日本海の本州沿岸の水深200〜950mに分布するが、生息水深は南下するほど深くなる傾向がある。寿命は11年と推定されている。本種は雄性先熟の雌雄同体で、3〜5歳で雄として機能し、その後性転換して、満6歳の春に始めて産卵を行う。抱卵期間は約1年で隔年産卵を行う。

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ホッコクアカエビは日本海最大のエビ資源であり、主として沖合底びき網,小型底びき網及び篭網によって漁獲されている。篭網は秋田,新潟及び石川の各県で行なわれている。本種の漁業は、1919年の機船底びき網漁業の出現によって本格的に始まった。その後船の大型化や装備の近代化によって漁獲量が増大してきたが、オイルショックを契機とした夜間操業の解除や、日本海北部のハタハタ資源の悪化に伴い、ホッコクアカエビの漁獲強度が著しく増し、その結果1982年をピークに、漁獲量は大きく減少した。沖合底びき網漁業では、沿岸の休漁期を中心に大和堆に出漁しているが、近年、とくに大和堆での漁獲の比重がかなり高くなってきている。


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