ハタハタの一生は、秋田県などの海岸近くの水深数メートルからスタートします。卵は12月にごく浅いところに生えている海藻に産みつけられて2ヶ月間波に揺られ、2月ごろにふ化します。ふ化した赤ちゃんは数カ月間浅いところで動物プランクトンなどを食べて成長し、春から夏にかけて水深200メートル以上の深いところへと移っていきます。その頃までは秋田県などの生まれたところの周りにいることが分かっていますが、その後半年間はどこにいて何をしているのか、まったく分かっていません。
そして、突如としてつぎの年の春に日本海の各地に現れます。1~2歳のハタハタは秋田県から遠く離れた島根県の隠岐諸島、京都府や福井県の若狭湾、石川県の能登半島あたりで多く見られ、もっと大きくなったハタハタは能登半島よりも北の海で多くみられます。このことから、秋田で生まれたハタハタは、えさを求めて日本海の西の方を回遊し、成長しながら再び秋田へ帰っていき、そして産卵すると考えられています。ハタハタの寿命はおよそ5歳です。