サケは秋になると卵を産むために海から川に上ってきます。たくさんの仲間の中から好みの相手を選んでオスとメスがカップルを作り、川底から水が湧きあがる場所に深さ30センチぐらいの穴を掘って卵を産みます。これを産卵床といいます。メスは1ぴきで約2500粒の卵を産みます。
産卵を終えると、サケはやがて死んでしまいます。それらはクマやキツネなどの動物やワシ、カモメなどの鳥、昆虫などの大事な餌となります。
サケの死骸には植物に必要な窒素やリンなどの栄養がたくさん含まれているので、サケを食べたあとのフンなどから栄養を吸収して植物が成長します。そして豊かになった森は、サケの稚魚にとって大切な落ち葉や、エサとなる昆虫を育みます。サケは海から山へ栄養を運んでいるのです。