北海道や東北地方、北陸地方などでは、「ふ化放流事業」によってサケを増やしています。これは、川に上ってきたサケを捕まえてお腹から卵と精子を取り出し、それをまぜあわせて受精させ、5センチぐらいまで育てて川に放流することです。ふ化放流事業を行うための「ふ化場」と呼ばれる場所は全国に約260か所あり、毎年約18億ひきのサケが各地から放流されています。
放流したサケのうち、1パーセントから4パーセントぐらい(100ぴきのうち、1ぴきから4ひきぐらい)が親となって生まれた川に帰ってきます。
サケは、どれくらいの大きさまで育て、いつ川に放流するかによって、その後、川や海で生き残っていけるかどうかが変わります。
日本海区水産研究所では、サケの稚魚に標識をつけて放流し、親となって帰ってくる割合を調べることで、放流するサイズやタイミングを調べる実験をしています。また、秋田県から富山県までの日本海に流れこむ川にあるふ化場で、どうしたらサケがいっぱい帰ってくるのかを教えています。