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資源生産部

初期餌料グループ

研究内容

 私たちのグループでは、海産魚類等の種苗生産において不可欠な存在である初期餌料生物を研究対象とし、主体として、1)シオミズツボワムシの大量培養の安定性と生産性の向上、2)小型餌料生物(プロアレス)の大量培養法と栄養強化法の開発、の課題に取り組んでいます。

 (ア)ワムシは、輪形動物門単生殖巣綱に属する生物の総称で、その種類は世界中に約2000種類あります。その中で海産魚類等の種苗生産の初期餌料として利用されているものがシオミズツボワムシ(以下ワムシ)で、形態的な特徴からL型、S型、SS型と呼ばれている3種類があります。ワムシは、大きさが0.1~0.3mmの動物プランクトンで、 1960年に三重県の養鰻池で分離されたのをきっかけに、全国各地の種苗生産機関で大量培養が行われ、卵からふ化した仔魚へ最初に与える餌料として利用されるようになりました。現時点において海産魚類の種苗生産の初期餌料としてワムシよりも優れたものは見つかっていません。

 (イ)研究課題の1)シオミズツボワムシの大量培養の安定性と生産性の向上では、①ワムシの培養不調の原因の1つとされる細菌叢について、全容を明らかにするとともに、有用な細菌を用いてワムシの細菌叢を制御する技術を開発します。②培養廃水を再利用することで、環境汚染を軽減でき、さらに生産コストの削減に期待できる閉鎖循環システムによるワムシ培養技術を開発します。

シオミズツボワムシの形

シオミズツボワムシの形。お尻に2個付いているのが卵です。

 (ウ)研究課題の2)小型餌料生物(プロアレス)の大量培養法と栄養強化法の開発では、ふ化仔魚の口径が極端に小さい有用魚種(クエ、マハタ類、メガネモチノウオ等)の初期餌料として可能性のある小型餌料生物プロアレス(大きさ:0.05~0.15mm)の大量培養法と栄養強化法を開発します。

 (エ)その他の研究課題として、前の中期計画で行ってきた石川県七尾湾、富山湾を産卵場、育成場とするマダラ、トラフグ種苗放流による漁獲量の増加について、海域内の水揚げ市場で標識放流魚がどのくらい水揚げされているか継続して調査します。

マダラ

マダラ

再捕された放流トラフグ

再捕された放流トラフグ

26年度の主な研究開発課題等

  • 一般研究「生物餌料生産安定化技術の開発」:ワムシ培養槽における細菌叢を全容解明するとともに制御技術の開発に取り組みます。また、小型餌料生物(プロアレス)の大量培養法と栄養強化法の開発に取り組みます。
  • 一般研究「閉鎖循環型施設等による陸上養殖技術の開発」:ワムシ培養廃水を再利用する閉鎖循環システムでの培養技術を開発します。
  • 一般研究「遺伝資源の保存管理技術の開発(ジーンバンク)」:過去10年間試験して確立できたワムシ高密度輸送技術を用いて、種苗生産機関等の依頼に応じて100万個体のワムシを宅配便を使って有償で配布します。
  • 一般研究「放流技術の高度化」:マダラでは、平成18、22年度放流群の回収率から、最適な放流時期、サイズを明らかにします。トラフグでは、石川県と共同して、七尾湾の産卵場、育成場の探索と環境条件の把握、最適放流サイズ、親魚として七尾湾周辺に産卵回帰する回収率を明らかにします。

これまでの研究成果等

グループの構成

  • グループ長:片山 貴士(宮津庁舎)
  • 技術員:川田 実季(宮津庁舎)