1. トップページ
  2. 組織の概要
  3. 資源生産部
  4. 初期餌料グループ

資源生産部

2019.4

初期餌料グループ

研究内容

 私たちのグループでは、海産魚類の仔魚や甲殻類の幼生の餌(初期餌料)として不可欠なワムシ類の研究を行っています。
 ワムシ類は大きさが0.1~0.3mmの動物プランクトンで、世界中に約2,000種類います。その中で初期餌料として利用されているものがシオミズツボワムシ(以下ワムシ)で、一般的に、形態的な違いによりL型、S型、SS型の3グループに分けられています。
 初期餌料グループでは、大きさや性質の異なる4種類のワムシ(ワムシ株)を保有し、これらのワムシ株を安定して保存、培養するための研究に取り組んでいます。
 また、初期餌料グループが保有しているワムシ株を他の研究機関や大学等の研究に利用していただくために、必要に応じて有償で配布する活動(ジーンバンク事業)とワムシ培養研修を行っています。

シオミズツボワムシ

シオミズツボワムシ。お尻に2個付いているのが卵です。

毎年行っているワムシ研修の風景です。

毎年行っているワムシ研修の風景です。

主な研究開発課題等

  • 一般研究「遺伝資源の収集・評価・管理ならびに利用技術の開発(ジーンバンク事業)」:増殖特性等が把握されている4種類のワムシ株を保存培養し、種苗生産機関、研究機関、大学等の依頼に応じ、1株につき100万個体を有償で配布します。
  • 一般研究「クロマグロ養殖用の高機能、高効率餌料の開発事業」:クロマグロ仔魚の初期餌料として適した性質(大きさ、栄養価等)を持つワムシ品種を作出し、安定的に培養するための調査研究を行っています。
  • 一般研究「水産業における匠の技術継承のための研究開発」「新たな栽培対象種の技術開発促進」:魚介類の飼育技術を動画データとして保存し、既存技術の検証と改良を行い、技術マニュアルとしての利用を進めます。

主な成果

    2015年
  • 海上網生簀における天然プランクトンを用いたマダラの半粗放的種苗生産 (2016/03/25), 水産増殖 64巻 1号
  • 2014年
  • 連続培養した藻類を給餌したアルテミアの飼育と耐久卵の採卵 (2014/11/08),日本水産学会中部支部大会
  • 2013年
  • 市販材料を用いた微小ワムシProales similis栄養強化の試行 (2014/02/24),水産技術 6巻 2号
  • 循環式培養システムを用いたシオミズツボワムシの連続培養 (2013/10/01),水産技術 6巻 1号
  • 循環式によるS型ワムシ連続培養 ~適正ろ材の探索~ (2014/03/29),日本水産学会春期大会
  • 循環式によるS型ワムシ連続培養 ~システムの簡素化~ (2014/01/31),日本水産学会
  • 汽水産ワムシProales similisの大量培養試験 (2014/09/29),日本水産学会秋期大会
  • 閉鎖循環式によるS型ワムシの培養Ⅲ ~水温条件の検討~ (2013/09/20),日本水産学会

グループの構成

  • グループ長:片山 貴士(宮津庁舎)